地球儀のスライス 森博嗣
あらすじ(「BOOK」データベースより)「黒窓の会」。西之園萌絵を囲んで開かれるその秘密の勉強会にゲストとして招かれた犀川創平は、古い写真にまつわるミステリィを披露した。屋根飾りと本体が別々になった奇妙な石塔は、何のために作られたのだろうか。S&Mシリーズ二編を含む、趣向を凝らした十作を収録。『まどろみ消去』に続く第二短篇集。目次
小鳥の恩返し
片方のピアス
素敵な日記
僕に似た人
石塔の屋根飾り
マン島の蒸気鉄道
有限要素魔法
河童
気さくなお人形、19歳
僕は秋子に借りがある
解説:冨樫義博 ←

ちなみに私のお薦めは「僕に似た人」と「気さくなお人形、19歳」と「僕は秋子に借りがある」である。以上、私の書評終了。解説者の冨樫さんの解説の書き出しはこうだ。
ちなみに私のお薦めは「小鳥の恩返し」と「石塔の屋根飾り」と「僕は秋子に借りがある」である。以上、私の解説終了。
形式を借りて見たが私のお薦めは上記の通り。
森博嗣さんの2作目の短編集。この講談社文庫版ではなんとあのハンター×ハンターの休載で有名な冨樫義博先生が解説を書かれています。この文庫版の発行の奥付を見ると、2002年3月15日第1刷発行とあります。バリバリ連載中でバリバリ休載もしていた頃ですね。「人の解説書く前に、自分の漫画書け!」というつっこみがあったのは言うまでも無いことです。私は冨樫ファンなので、冨樫さんのこういう文章が読めたのは嬉しかったですけどね。
冨樫先生が解説でも書かれているけれど、森ミステリィと言えば「理系」というイメージがあるが、この短編集ではむしろ文系的な森さんの一面が伺える。冨樫先生は森さんの言葉を引用して「文系は理系の一部と捉えることができる」とし、「本作品は絶妙のバランスで理系と文系とをブレンドした短編集だ」と評している。他にも本の購入動機を9パターンに分類したり、理系と文系の包含関係を表す図を描いたりしている。冨樫先生は分類するのが好きなのだろう。流石ハンター気質、コレクター気質ですね。確かに本作は、とても優しい感じがして、幻惑的で読むと浮遊感がする。ふわふわとした印象がある。相変わらず、シャープでクール、ドライな文章なのに、温かい優しみに触れたような気がした。S&Mシリーズとはひと味違う森ミステリィを堪能できます。
蛇足ですが、「気さくなお人形、19歳」はVシリーズの『六人の超音波科学者』と繋がっている重要な作品でもある。小鳥遊練無は好きなキャラで後の短編でも出て来るのが、嬉しい。また、「石塔の屋根飾り」はS&Mシリーズの作品だけど、アイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会』のパロデイというか、オマージュのような構造になっている。こういう小ネタも森さんの作品の楽しみの一つですね。
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