対岸の彼女 角田光代

2007/10/29 [月] 00:55 このエントリーを含むはてなブックマーク
対岸の彼女 (文春文庫 か 32-5)
『対岸の彼女』角田光代【内容情報】(「BOOK」データベースより)
大人になったら、友達をつくるのはとたんにむずかしくなる。既婚と未婚、働く女と家事をする女。立場が違うということは、ときに女同士を決裂させる。高校生の頃は簡単だった。あの頃のような、全身で信じられる女友達を必要になったのは今なのに。第132回直木賞受賞作。
 
 


 ともに30代で、既婚・子持ちの主婦・小夜子と、独身・子なしの女社長・葵。この2人の関係を軸に、葵の高校時代の転校生の友人ナナコとの回想がカットバックとして描かれる。主人公の働きに出る主婦の小夜子がステレオタイプで嘘くさい。が、葵の高校時代の話は、鮮烈で素晴らしい。2人が夏休みに民宿でバイトするエピソードで、バイトが終わってもなんだか家に帰る気がしなくて、ラブホを泊まり歩いて放浪する。それが結果的には大変な事件として扱われてしまう。

 「ずっと移動してるのに、どこにもいけないような気がするね」

と言う台詞がとても切なくて、かつて少女時代を過ごした者にとっては、大変リアルで懐かしいような気持になる。なんだか川本真琴の歌詞の世界を連想した。

この辺は青春小説としては素晴らしいのだけれど、主婦側の話はあまり好きではない。ステレオタイプなありきたりな主婦像に思えて、狙ってそう書いたのかもしれないが、私の好みではない。角田光代さんはこれで直木賞を取られたけど、これなら128回の候補作になった、空中庭園の方が傑作だと思う。ほんと、直木賞はあげどきを逃すんだなあ。

 この作品は全体としては、過ぎ去った青春を心の中に抱えた大人の女性がどう今生きていくのかということを描いた小説だ。そう捉えるとラストも納得できるし良い作品だと思う。ただ、『空中庭園』の方が作品の完成度レベルとしては高いと思うのだ。だから直木賞の空気読めなさ加減が伺える。ま、結果として本も売れて、別に問題はなかったのかもしれないが。

ところで、これ06年にWOWOWでドラマ化されていたんですね。WOWOWは結構センス良い文芸作品のドラマ化を手がけますね。以前見た川上弘美さんの『センセイの鞄』のドラマは大好きな作品だ。久世光彦さんの演出との相性も良かった。
『対岸の彼女』もどこか民放で放送しないかな。

TB:   
COCO2のバスタイム読書さん
読書感想文 と ブツブツバナシさん

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»対岸の彼女<角田光代>?(本:2007年138冊目)?
対岸の彼女
出版社: 文藝春秋 (2004/11/9)
ISBN-10: 4163235108

評価:98点

最後の文章を読み終え、深く息をついて余韻に浸りながらページを閉じて本を置く。
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「対岸の彼女」角田光代

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夫、姑、娘、ご近所付き合いなどなど
いろんなことに思い悩むなか、
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『対岸の彼女』 (文春文庫 か 32-5)作者: 角田 光代出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10メディア: 文庫


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印象に残った2作。




『対岸の彼女』  角田 光代



30代、既婚、子持ちの「勝ち犬」小夜子と、独身、子なしの「負け犬」葵。
性格も生活環境も全く違う二人の女性の友情は成立するのか!  »
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»角田光代「対岸の彼女」
あたし なんにもこわくないの
そんなところに あたしの大切なものはないの

誰かと一緒でないと不安になる
自分を受け入れてもらえる雰囲気を無意識に探して、恐る恐るまわりを見渡す
そんな自分に嫌気がさす
だから、こんなところに大切なものはないと言い切れる...  »
from 聞いてあげるよ君の話を 2007.10.28 [ a]
»対岸の彼女 角田光代
既婚で子どもが一人の専業主婦小夜子と、未婚で自分の会社を経営する葵。
葵の経営する会社で小夜子が働く事となる。
世間で言われている「勝ち組」「負け組」の位置付けの中、それぞれの立場に思い悩みあがく。
見事に描かれた人間関係、感情、ストーリー、洗練された文章...  »
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読んだら痛そうだなと思って、ずっと避けてきた本をようやく読んでみた。

実際、痛い部分もあったけど、角田光代って


とにかく巧い


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from ぱんどらの本箱 2007.10.27 [ a]

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 コメント


どうもー

やっぱそうですよねー
オレも主婦バナシのほうは、ちょっとひっかかりました。
でも、ステキな話でしたね。
空中庭園もよかった。

で、川本真琴とは(笑)懐かしいですねーー結構好きでした。

リンクどうも!
オレもリスト入れさせてもらいます
Posted by:じゅん  at 2007/11/08 [木] 10:31


はじめまして。
ブログ「えほんのまいにち」の新歌と申します。

『対岸の彼女』、さきほど記事にいたしました。
駄文ですがTBさせてください。

普段は絵本が主ですが、最近は私自身の読書記録もつけています。
こちらのブログは私の好きな作家さんの作品も多く
とりあげていらっしゃるので、とても楽しく読ませて頂きました。

これからの選書の参考にもさせていただきたいと思っております。
どうぞよろしくお願い致します。
お時間ありましたら、私のブログへも遊びにいらして下さい。
Posted by:新歌  at 2007/10/31 [水] 10:24


Gutuさん
 空中庭園の記事面白かったです。角田さんの本はまだ読んでないものも
多いので私もこれから楽しみです。

きりりさん
こんにちわ。そうですね、多分狙ってやったんでしょうけど、主婦側の部分は私の好みではありませんでした。でも全体としてはいい作品だと思いましたね。TBもしてくださってありがとうございます。
Posted by:peco0102  at 2007/10/28 [日] 14:50


こんにちは 私も主婦の方が好きではなかったですね 狙いなんでしょうね 対比としてか、少女時代の話が立っていて好きではないけど面白い本でした
Posted by:きりり  at 2007/10/28 [日] 14:26


ぺこさん おはようございます。
わたし、最近角田光代に目覚め、本日の拙ブログでは、
私としての出会いの作品『空中庭園』を取り上げてみて、
実は昨日は『対岸の彼女』を買ってきたところでした。
芥川賞の候補作家として数年たった後直木賞をとった…あたりが
なるほどと感じさせる筆致のような気がしています。
今日は我慢して読まずに、楽しみにしてとっておき、
読み終わったら、また来ます。
今日も一日がんばりましょう。
Posted by:Guts  at 2007/10/27 [土] 06:26


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