迷宮百年の睡魔 森博嗣

2007/11/18 [日] 19:38 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
迷宮百年の睡魔 森博嗣
 『女王の百年密室』に続くシリーズ第2弾。
ジャーナリストのサエバ・ミチルと、パートナーのウォーカロンのロイディがやって来たのは、一夜にして周囲の森が海に沈みできたという伝説の島、イル・サン・ジャック。ここの宮殿モン・ロゼは、長い間外部との接触を断ってきたが、何故かミチルは取材許可をもらえた。宮殿での女王との邂逅。王からの深夜の呼び出し。そこでミチルとロイディは、曼荼羅の中に首のない死体を発見する

緑とも青ともつかぬ魅惑的な瞳を持つ女王メグツシュカ。四季シリーズとの関係が気になる。
真賀田四季とメグツシュカという名前。
『四季 冬』を読むとここは一体どこなんだとめまいがするが。。。

 床は白と黒の市松模様で、チェス盤のようだった。上を見ると、斜め方向の高いところに照明がかすんで見える。まるで浮かんでいるようだ。器具どのように支持されているのかはわからない、・・・・・。
―『四季 冬』
 
 この、存在は・・・・・・。
とても懐かしい気持ちが急に僕を襲った。
(略)
その顔に、
僕は見覚えがあったのだ。

―『迷宮百年の睡魔』
 
『迷宮百年の睡魔の引用作品は『ボードレール詩集』(堀口大學訳)。『悪の華』と『巴里の憂鬱』から選ばれ編まれた詩集である。ボードレールの人間の二面性や矛盾と、この作品の「頭脳と肉体」というテーマが綺麗に共鳴する。およそ人間らしさは見えない(と言われる)森博嗣作品の人間性が強く感じられる。人間らしさって目に見えるわかりやすいものではないと思う。彼は(彼女?脳は彼)非常に人間的だ。その生の苦しみとつかの間の歓喜が詩的に鳴り響く。

この女王シリーズは三部作だという話なので、次作が待たれる。
TB:神保町の片隅でさん
  A Time To Keepさん
関連記事:『女王の百年密室』の感想

迷宮百年の睡魔 (新潮文庫)あらすじ(「BOOK」データベースより)
周囲の森が一夜にして海と化したという伝説を持つ島イル・サン・ジャック。22世紀の旅人ミチルとロイディがこの島で出会った「女王」は、かつて別の地に君臨した美しき人に生き写しだった―。王宮モン・ロゼで発見された首のない僧侶の死体、犯人と疑われたミチル、再び消えた海と出現した砂漠。謎に満ちた島を舞台に、宿命の絆で結ばれた「女王」とミチルの物語の第2章がはじまる。

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