すべてがFになる 森博嗣 (1)
| すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) | |
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『すべてがFになる』第一回メフィスト賞受賞作。
「先生、現実って何でしょう?」
「現実とは何か、と考える瞬間にだけ人間の思考に現れる幻想だ。」
「現実とは何か、と考える瞬間にだけ人間の思考に現れる幻想だ。」
表紙に書かれているこの会話だけでも十分お金を取れる価値がある。認識論による森ミステリィの幕開け。世界を記述する思考とは。
この『すべてがFになる』に関しては、思い入れがあるので何回かに分けて書こうと思う。というわけで一応レビュー(1)。
絶海の孤島に建ち、全てをコンピュータで統括管理されている、真賀田研究所。その研究所を統べているのは、ひとりの女性天才プログラマ・真賀田四季。彼女は14歳の時に両親を殺害した容疑で逮捕されて以来、研究所に隔離され、モニタのみで外部と接触する生活を送っていた。
島のキャンプに夏休みのゼミ旅行で訪れた、N大学工学部建築学科助教授(当時は準教授という呼称ではなかった、まだ)犀川創平とその愉快なゼミ生たち。そのグループにはN大建築学科学部一年生でありながら、幼少期からの犀川との付き合いを利用してゼミに参加している西之園萌絵の姿もあった。キャンプの初日、ひょんなことから研究所を訪ねた犀川と萌絵。真賀田四季との面会を望んでいた二人が地下室で目の当たりにしたのは、ウエディング・ドレスをまとい、両手両足を切断された若い女性の死体だった。
殺害可能な時刻に、真賀田四季の部屋に足を踏み入れたものはおらず、それは24時間監視のカメラに残されたデータも証明している。そして研究所の所長も殺害される。事件にちらちらと影を落とす真賀田四季の存在と、彼女が起こした両親殺害事件の謎。そして真賀田四季が残したメッセージ「すべてがFになる」の意味とは。
犀川創平と西之園萌絵のコンビによるS&Mシリーズ第1弾ちなみに本作は、本来シリーズ第4作であったが、編集部の判断で入れ替わり、デビュー作となったというのは、有名な話。
理系の専門用語がたくさん出てくるがそれらは、香づけのようなもので、それにとらわれる必要はないと思う。それよりも犀川先生の「自然を美しいと感じる人間の感情は自然なのか?」「僕ら研究者は何も生産していない、無責任さだけが取り柄だからね。でも、百年、二百年先のことを考えられるのは、僕らだけなんだよ。」といったスパイシィで素敵な台詞が森ミステリィの醍醐味だ。こういった機知に富んだ問題提起が森博嗣の作品にはあふれている。
ところで森博嗣は第0回メフィスト賞受賞作家と呼ばれる京極夏彦とよく比較される。それに関しては出来れば、続きを書きたい。キーワードは、もちろん、認識論。現実は不確か、だね。
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読み返してみた。改めて天才の凄さが分かった!森博嗣も真賀田四季も天才!










