本業 水道橋博士/博士の物書き的体質
| 本業 (文春文庫 あ 41-3) | |
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内容(「MARC」データベースより)タレント本の世界から、タレントの生き様、成功の法則、そして虚像と実像に鋭く切り込む。前代未聞のタレントによるタレント本だけを書評したタレント本! 『日経エンタテインメント!』連載等に加筆・修正を行ったもの。
Bookoffの百円コーナーに行けば、たくさんの売り捨てられた本の表紙を見ることが出来る。その中でもひときわもの哀しさをかもしだしているのが、タレント本である。著者の知名度の高さで、出版時には華やかなるその本も、読書好きにはくだらないと下に見られ、たいした書評も出ず、旬を過ぎればあっという間に忘れ去られてしまう。
そうしたある意味差別されてきたタレント本の再評価を促そうと書かれたのが、本書「本業」である。
まさに、博士こそが芸人が「本業か?」と疑いたくなるほど、優秀なルポライターであり、本書ではその才能を遺憾なく発揮している。
浅草キッド。もちろんすでにベテランの実力派芸人である。しかし、彼らのパブリックイメージは若手、あるいは中堅といったものではないだろうか。人気芸人とは言い難く、タレントというよりむしろサブカルの人といった感がある。だからこそ「本業」というタイトルが切ない意味を持ってくる。
様々なテレビの仕事をこなしつつも、「ナンシー関の目が怖かった」仕事はしない。
そこに、作家の照れ、物書きの含羞が見える。博士とはタレントに憧れタレントになっていながら、タレントであるには「作家的」過ぎるのだ。
本書の序章で博士はタレント本を
「タレント本とは払いすぎた有名税や、巷に流布するパブリック・イメージに対する修正申告である」と定義する。
瞬間芸であるテレビでは伝えきれない、「深度」があるからこそ活字にこだわるのだ。
本書には、矢沢永吉の『アー・ユー・ハッピー?』といったベストセラーから、山城新伍『おこりんぼ さびしんぼ』と言った隠れた名著、さらには田原総一朗・田原節子『私たちの愛』といった異色のタレント本?にまで及ぶ、怒濤の褒め殺しの書評50本が並ぶ。こうした本の嗜好を世間に公表することは、自身の元ネタばらしであり、自分のルーツをさらけ出す、公開自己解剖と言えるだろう。文庫の解説で村松友覗氏は「これは、水道橋博士の内蔵料理である」と評する。
猥雑で華やかなる芸能界の様々なエピソードに満ちたこの本からは、浅草キッドとしてのタレントの矜持の香りと、作家としての水道橋博士の「物書き」の匂いが、「本業」と「余技」の絶妙なバランスで立ち上ってくるのである。













