小学校の国語の教科書に載っていた「おてがみ」。
「しんあいなる がまがえるくんへ」この手紙の書き出しですでに泣きそうになります。アーノルド・ローベルのかえるくんとがまがえるくんのふたりの物語。
ふたりはお互いの見つけた素敵なもの、美しいものを相手に知らせずにはいられません。この、人生の甘美を共有しよう、というのが友情というものなのかも知れません。ひとりになりたいときもありますが、それはふたりのため。孤独は一人では感じられないということがわかります。
受験生時代、一人暮らしの孤独な夜、この絵本には支えられました。ベッドで丸まりながら、この本を開いて勇気をもらいました。
江國香織さんの『絵本を抱えて部屋のすみへ』という本で紹介もされています。
三木卓さんの豊かで力強い言葉による翻訳も素晴らしい。
丁寧な言葉でくるまれたユーモアは上品でありながら奇抜で、作品の奥行き、懐の大きさを感じさせる。意外にリアルな絵柄でちょっとぎょっとするシーンもありますが、(水着姿の絵は何度見ても笑ってしまう)それも新鮮なおどろきに満ちた子供の目線を思い出させてくれます。とにかく細部まで、豊かな物語なのです。
子供に是非読ませたい名作ですが、大人の読む絵本としてもおすすめです。
アーノルド・ローベル 三木 卓
文化出版局 (1972/01)
売り上げランキング: 1705
おすすめ度の平均:


子供に読ませたい

エキセントリックなユーモアが気に掛かる

ほのぼの
絵本を抱えて部屋のすみへ (新潮文庫)
江國さんのルーツとなった絵本について書かれています。江國さんの文学少女な視点と、小説家としての独特な視点で語られた絵本は新たな魅力を増し、読みたくなること間違いなし。「ふたりはともだち」の書評は特に絶品です。