文壇の今と昔 作家のジェネレーション/新潮4月号対話山田詠美+島田雅彦

2008/03/17 [月] 23:07 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
新潮 2008年 04月号 [雑誌]新潮 2008年 04月号 [雑誌]
新潮 2008年 04月号 山田詠美+島田雅彦 対談「鎮魂と教育」
・間にあった最後の世代として
・作家は書き尽くしたら死ぬ?
・誰に何を教わったか
・「作家の嫌な汁」
・先人の知恵から「恥」を学ぶ

大分前に買って読んだものをいまさら書く。
私が知っている限りでも3回は対談している、仲良しコンビのお二人。作品世界は違えど、嫌いなものは共有しているから気が合うらしい(村上春樹とか)
山田:お互い若くしてデビューしたから、いわゆる昭和の文豪に会えた最後の世代なんだよね。ふたりで飲んでる時に、じゃあいっそ彼ら彼女らのお墓参りしながら対談して故人を偲ぶなんていいんじゃない?そりゃあいい!と盛り上がって、即編集長に電話。でも、一晩寝て起きたらなんでいいと思ったんだろう?って。やだね。酔っぱらいって(笑)
島田:僕も忘れていた(笑)編集長だけが覚えていたので、物故作家の霊が出るとまことしやかに囁かれる新潮クラブ(新潮社の著者用宿泊施設)で思い出に残る文豪たちについて語り合うことになった次第です。


 120% coool 山田詠美

2008/01/06 [日] 17:47 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
120% coool (幻冬舎文庫)
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100%の完璧な快楽では、愛という陳腐な言葉が入り込む。それを打ち消すには、もう20%を必要とする。あなたの恋を誰もが考える恋に引き下げてはいけない。山田詠美が新しく書いた、9つの愛の真理。
また山田詠美を読み返してしまった。怠惰で甘い気持に浸るにはうってつけだ。甘ったるくはない。時々はっとさせられる。本当は悲しい。だけど、悲しみを甘く舌で転がすのは、贅沢な快楽だ。


 せつない話/一人で読む本

2007/12/23 [日] 23:40 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
せつない話 (光文社文庫)せつない話 (光文社文庫)



有二が来るならそれでいいし、来なくてもよい。
宇禰はそう思っている。

「恋の棺」の宇禰ように、二重人格の残酷さでもって。
一人で本を読みたいからと、ベッドの隣の男を冷たく帰す。
クリスマスの夜に、これ読むから帰って、と男に言いたくなる一冊(笑)


以前紹介した『せつない話 第2集』の第1弾の方です。
「ここに収められている短編小説を読むことは、まさに大人の贅沢であると思う。何度読んでも、新しいせつなさが胸をよぎる。心をおおう繊細な襞が何度も違う種類の涙によって湿って行くのに気がつく。」短編の名手山田詠美が選んだアンソロジー集です。


 ラビット病 山田詠美

2007/11/11 [日] 14:08 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
 ときどきラビット病にかかる。元々、恋愛体質な方だけど。でもすぐ飽きてしまう。
別れる時の潔い、あの感覚が一番好き。これは迷惑な性格かもしれない。
それなのに。ブランケットのようにこなれた恋もまたよし。最近はずっとこっちかもしれない。遍歴を重ねるに疲れたか。
ラビット病というのは山田詠美さんの小説『ラビット病』に詳しく書かれている病気です。(「BOOK」データベースより)
うさぎ。あのふわふわと柔らかい動物たちと、自分たちが同じだなんて。そういえば、そうだ。自分たちは、いつも、くっついている―いじけた子供のような女の子、ゆりと、素直で心の広い青年、ロバート。周囲を巻き込んであやしく展開する、二人の恋の行方はいかに?
 
ああみみが食べたくなってきた。 



 無銭優雅 山田詠美 

2007/11/08 [木] 00:55 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
『無銭優雅』 山田詠美 *再録、書き足し。
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出版社 / 著者からの内容紹介
大人になりそこねた男と女は、名作に導かれて、世にも真摯な三文小説を織り上げる。いつか死ぬのは知っていた。けれど、死ぬまでは生きているのだ。ささやかな日々の積み重ねが、こすり合わされて灯をともし、その人の生涯を照らす。そして、照り返しで死を確認した時、満ち足りた気持で、生に飽きることが出来る。私は、死を思いながら、死ぬまで、生きて行く。今わの際に、御馳走さま、とひと言、呟くために――。


 A2Z 山田詠美

2007/10/25 [木] 23:34 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
A2Z (講談社文庫)
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恋は知らない時間を連れてくる。大人の極上の恋愛小説。読売文学賞受賞の傑作。
文芸編集者・夏美は、年下の郵便局員・成生(なるお)と恋に落ちた。同業者の夫・一浩は、恋人の存在を打ち明ける。恋と結婚、仕事への情熱。あるべき男女関係をぶち壊しているように思われるかもしれないが、今の私たちには、これが形――。AからZまでの26文字にこめられた、大人の恋のすべて。



たった二十六文字で、関係のすべてを描ける言語がある。それを思うと気が楽になる。人と関わりながら、時折、私は呆然とする。この瞬間,私が感じていること、私が置かれている空間、私を包むもの、それらを交錯させたたったひとつの点を何と呼ぶべきであるのか。(略)慌てて、私は、手遅れにならない内に相応しい言葉を捜し出そうとする。何のために?確認するために。確認して安心を得るために。私が、今、感じているこの思い。それは、たった二十六文字で表記出来る程度のものなのだと、ただ溜息をついてしまいたい。
山田詠美『A2Z』冒頭より


思わず溜息をもらしてしまう、美しい言葉の組み合わせ。詠美さんの文章はいつも恍惚の溜息を誘う。
2000年にこの本が刊行されたとき、私は高校生で、待ちに待った詠美さんの新作長編を買い家に持ち帰ると、一晩中舐めるように読み貪ったものだ。この書き出しをたっぷり時間をかけて味わったことを今でも憶えている。
大人の恋愛小説と背表紙に打っているが、これはよくある大人の恋愛ものでは、ない。大人になりきれない、大人たちのための小説だ。


 風味絶佳 映画の事とか

2007/10/04 [木] 00:37 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
関連記事:風味絶佳 山田詠美 レビュー・感想
大好きな山田詠美さまの作家生活20周年記念作品。

ブログタイトルにも使ってる通り大好きな作品なので恐れ多くてなかなかレビュー出来ません。大森望さんと豊崎由美さんの本にも書かれていたけどどこが素晴らしいのか説明するのが難しい傑作だ。詠美さんの作品て
批評しにくい部分に価値がある気がします。


今話題の沢尻エリカ様と柳楽優弥君で映画化もされている。詠美さんは「シュガー&スパイス〜風味絶佳〜」ってタイトルの〜というのがださいとちょっぴり苦言を呈してらしたけど、音楽やディテールもおしゃれで
かっこいいし青春の甘酸っぱい恋愛映画として良くできていたみたいです。ただお洒落すぎだとも書かれてましたがw熱ポンで。


エリカ様には私は全く、反感抱きません。なんでみんなあんなに叩くのか不思議でしょうがない。だって自分には関係ない芸能人だし、なんの損害ないもの。ただ、映画を見に来たお客さんや映画のファンの方が怒るのは理解出来ます。ただ皆が皆そうじゃないだろうに、一緒になって叩くのはどうなんだろう。ああいう生意気で自分をしっかり持ってる子、私は好きです。女優として見てる分には、嫌な目にあうこともないしいい作品でいい演技してくれればいい。


今回の騒動はあの『クローズド・ノート』って映画の宣伝にはなったみたいですね。もしかして利用されたのかと穿ってしまう。詠美さんの小説の映画化ってあんまり成功したのない気もするけどw『姫君』に収録されている「メニュー」の聖子なんか沢尻エリカにぴったりじゃないかと思う。わがままで可愛い妹。ちょっと見てみたい。


 せつない話 心の鍵穴

2007/09/22 [土] 21:17 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
 光文社から出ている山田詠美編のアンソロジーがあります。

 このあとがきの山田さんの文章があまりにすばらしいので、
一部引用します。

「せつない」という言葉は、実は、多くの人々がしまったまま忘れた心の内の宝箱を開ける鍵になり得るのではないか。鍵になる言葉は、いつだって、いとしい不意打ちを、私たちに与えるものだ。(略)開ける必要はなかった。しかし開けたことによって、自分にだけにし解らないささやかな宝物の存在が見えて来る。(略)学校帰り、駅までの遠い道(略)二人で、他人の家の鍋の中身について話し続けていた。本当に話したかったのは、そんなことではなかったというのに。

この本を初めて手に取ったのは、高校生の時。本屋さんで、このあとがきを読んで、あまりの美しさに酔ってしまい、すぐさまレジへと運びました。


翌日、学校で、親友の山田詠美ファンの女の子にどきどきしながら見せたものです。詠美さんのおかげで私たちは中高生時代を特別な思いで過ごせました。


この本は若い人達がほかの作家へと手を伸ばすガイドブックでもあると思います。
著名な作家の、名作ばかりですが、どう選んで良いかわからない子供に取ってはありがたい。


でもやっぱりこの本は本質的には大人のためのものだと思います。なぜなら、せつないという感情には、時間という発酵条件が必要だから。


お子様立ち入り禁止の領域。高校生の私には背伸びしたい気持と大人びたお店の前で躊躇する時のような、かなわないという諦めの気持が入り交じっていました。


収録作品一覧
 *一房の葡萄        有島武郎

 *雪              宇野千代

 *踏切            水上勉

 *雪の降るまで       田辺聖子

 *夏の日のシェード     田中小実昌

 *残りの花          中上健次

 *夜桜            宮本輝

 *マンション・ダモール   森瑤子

 *唇から蝶          山田詠美

 *夜の足音          内田春菊

 *誕生日の子どもたち   T・カポーティ(川本三郎訳)

 *ダイヤモンド        A・P・ド・マンディアルグ

 *雪掻き           W・M・ケリー

 *テリトリー          D・レーヴィット 


 無銭優雅 山田詠美

2007/07/28 [土] 00:05 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
無銭優雅
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star共感と反発が綯い交ぜになった複雑な読後感
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ミーミーと言って、体を摺り寄せてくるのは猫ではないので ある。それは霊長類人科のオスで御年45歳。世の中ではおじさんという年ではあるが、私にはそう受け止めることが出来ない。それは私自身も同じ年齢だからであろう。周りの見えていない時の私たちは未だ少年少女。ずうずうしいなんてこれっぽちも思わない。

相変わらず、素晴らしい書き出し。もうここだけでご飯何杯もいけます。
「大人になったら何になろう」なんて大人なのについつい思ってしまう人種のための 物語。山田詠美さんの最近の作品では「大人になりきれない、やんちゃな大人」が よく出てくる。そして「死」という陰がちらつく。この人は本当の死の恐怖を知ってい るのだろう。


 風味絶佳 山田詠美

2007/07/21 [土] 21:58 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
風味絶佳
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starいえいえ、あなたの才能はまだまだ枯れてはおりませんよ、山田詠美さん。
star巧い&美味い
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山田詠美の作家生活20周年の記念作品。肉体のスキルを生業とする6人の男に光をあて、そのたたずまいの風味を描ききった作品。山田詠美の得意とする、濃密で完成度の高い短編で、言葉に対する彼女の真摯な姿勢、技巧、魅力がつまった一冊。一作書くのに何ヶ月もかけたそうで、選び抜かれた言葉に思わず、ページをめくる手を止めて、うっとりとしてしまう。山田詠美さんの小説を読むと、美しい言葉におぼれてしまい、何度も何度も読み返してしまうことがよくある。



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