『蛇を踏む』川上弘美/うそばなし

2008/04/01 [火] 20:14 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
蛇を踏む (文春文庫)蛇を踏む (文春文庫)
川上 弘美

文藝春秋 1999-08
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川上弘美氏の芥川賞受賞作。あやしくもあたかかい川上ワールドの幕開け。
ってこの本を読んではいけません!!!絶対ですよ、どうなっても知りませんからね。
読み終わるとね、どうしても蛇踏まなきゃいけないんですよ、蛇。
蛇になるとか蛇が来るんじゃなくて、踏むの、わかった?踏まずにはいられないの。
でね、踏んだら踏んだでそれでおわりじゃなんですよ。
なんかね、蛇がね、なつくんです。蛇が。で、いつのまにかいっしょに暮らしてんだけど。
増えるの、ときどき。
きもくない?きもくない?え、でもなんかかわいー。
とか言ってる場合じゃないの。だって蛇ですよ、蛇。
そのうち自分と同化しちゃったりなんかしたりして。もー。
なんでもかんでも混ざるから。時間とか種とかDNAとか関係ないし。
ところで、つくねっておいしいよね。蛇が作ってくれんの。まじうまいし。
比喩がどーのこーのとかなんか難しいこと解説には書いてあるかもしれないけど、これって
ただのほんとのことだから。川上ワールドではよくあること。川上さんってまじかわいいし。まじ美人だし。
うそばなしとかいってるけど、あれうそだから。あ、川上さん、4月1日お誕生日おめでとうございまーす。


出版社/著者からの内容紹介
女は藪で蛇を踏んだ。蛇は女になり食事を作って待つ。母性の眠りに魅かれつつも抵抗する、女性の自立と孤独。芥川賞受賞作他二篇
内容(「BOOK」データベースより)
藪で、蛇を踏んだ。「踏まれたので仕方ありません」と声がして、蛇は女になった。「あなたのお母さんよ」と、部屋で料理を作って待っていた…。若い女性の自立と孤独を描いた芥川賞受賞作「蛇を踏む」。“消える家族”と“縮む家族”の縁組を通して、現代の家庭を寓意的に描く「消える」。ほか「惜夜記」を収録。


 『古道具中野商店』 川上弘美/川上さんの突然

2008/03/26 [水] 00:48 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
古道具中野商店 (新潮文庫 か 35-7)
古道具中野商店 (新潮文庫 か 35-7)川上 弘美

新潮社 2008-02
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starしゅるしゅる

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内容(「BOOK」データベースより) 東京の西の近郊の小さな古道具屋でアルバイトをする「わたし」。ダメ男感漂う店主・中野さん。きりっと女っぷりのいい姉マサヨさん。わたしと恋仲であるようなないような、むっつり屋のタケオ。どこかあやしい常連たち…。不器用でスケールちいさく、けれど奥の深い人々と、懐かしくもチープな品々。中野商店を舞台に繰り広げられるなんともじれったい恋、世代をこえた友情。幸福感あふれる最新長篇。


「だからさあ、そこの醤油さし取ってくれる」と、つい先ほども突然言われて、驚いた。

「役に立つ皿 役に立つ棚 役に立つおとこー」と妙な節まわしで突然歌い始めたので、びっくりした。


 大晦日/おめでとう 川上弘美

2007/12/31 [月] 18:10 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
おめでとう (新潮文庫)おめでとう (新潮文庫)



西暦三千年一月一日のわたしたちへのことば。
おめでとう、とあなたは言いました。おめでとう。まねして言いました。それからまた少しぎゅっとしました。忘れないでいよう、とあなたが言いました。何を、と聞きました。今のことを。今までのことを。これからのことを。あなたは言いました。忘れないのはむずかしいけれど、忘れないようにしようとわたしも思いました。

大晦日。年末年始は、形だけでも大反省&大宣言大会をしたくなりますね。
大晦日なんて錯覚だと言ったのは内田百間先生ですが、本当にその通り。明日になっても何も変わらない。いつものように今日が昨日に、明日が今日になるだけだ。

けれど、お正月のあの境目はなんなんだろう、確かにある、という気がする。というようなことを江國香織さんもエッセイで仰っていたのを思い出した。


 センセイの鞄 川上弘美

2007/10/01 [月] 19:53 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
センセイの鞄
(「BOOK」データベースより)
「センセイ」とわたしが、過ごした、あわあわと、そして色濃く流れゆく日々。川上弘美、待望の最新長篇恋愛小説。

「ツキコさん、デートをいたしましょう」

ああ、私もセンセイに頭を撫でられたり、デートに誘われたい!と思った女性読者はたくさんいたのではないだろうか。非常に美しい、ふたりの関係。これは恋愛なんだろうか。どちらかといえば、友情に近いような気もするけれど、最終的には「正式にお付き合い」を申し込みをしてしまうのがなんとも、おかしい。男と女の間には、シリアスな面もあるけれど、どこかユーモラスでおかしみがある。


 『真鶴』 川上弘美

2007/09/17 [月] 17:23 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
真鶴
真鶴川上 弘美

文藝春秋 2006-10
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starベケット?
star今までの小説の中でいちばん好き
star触感の小説

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内容(「MARC」データベースより)
失踪した夫を思いつつ、恋人の青茲と付き合う京は、夫、礼の日記に、「真鶴」という文字を見つける。“ついてくるもの”にひかれて「真鶴」へ向かう京。夫は「真鶴」にいるのか? 『文学界』連載を単行本化。 平成18年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞作



失踪した夫の「不在」の物語。主人公は中年の女性、母親と、思春期の娘と暮らしている。恋人(妻帯者だが)もいる。失踪した夫の日記には、ただ一言「真鶴」と記されていた。「ついてくるもの」にみちびかれるように真鶴へと向かう。そこに夫はいるのか。


これは、「存在」をめぐる小説だと思う。夫は、実際には(リアルにはと言う意味、幻想か妄想の中では出てくる)全く出てこなくて、結局真相は謎なんだけど、いないはずの夫の存在感が強烈だ。いない、から、存在が引立つのか。主人公が執着しているからなのか。


寂しいこと。切ないこと。
何が寂しいって、あるべきはずのものがなくなることだろう。あって当たり前、いて当たり前のものがないという空白は、どうやって埋めればいいのか、途方に暮れるばかりだ。


川上さんの小説は、いつも境界が曖昧だ。森羅万象、人と人の肉体の境界線、種と種の境界線、時間、場所、あらゆるものが溶け出していく。


「ついてくるもの」という幽霊のような存在や、異なるものたちが身近なのはそういうことかもしれない。といってオカルトっぽさはなく、完全に川上ワールド的としか言いようのない幻想的な世界。


この作品はよく新境地とか、ターニングポイントとなる作品だと称されている。実際そうだろう。私が、どきっとしたのは、主人公の職業。文章を生業にしている。今までこういう設定の主人公はいなかったと思う(正確には不明)。


川上さん自身に近い職業、しかも途中から、小説を書き出す。なんだか、川上さんの生の作家としての姿勢、思いが重なっているように思えて、それが刺激的だった。まあ私小説ではないし、うそばなしを得意とする方なので、主人公と作家が一致するってことはないだろうけど、山田詠美さんが小説は「内面のノンフィクション」だと言うように、やはり真実が反映されているものだと思う。


今年から芥川賞選考委員になられた川上さん。結構早いと思うが、実績と実力から言って当然。若い、書評も卓抜で、見る目のある選考委員が増えるのは老害の問題もあると言われる芥川賞にはいいことだろう。


ところで川上さんてすごーく美人なんですよね.きれいですよね。ほんと才色兼備。同じ女性ながらうっとりしちゃう。



川上氏の他の作品では『センセイの鞄』が有名ですね。 これは読みやすいしオススメです。
絵本っぽい『椰子椰子』も気軽に読めて、初めて読むひとにもいいと思います。
TB:川上弘美さん的なもの さん
モンガの独り言 読書日記通信
Slow Lifeさん
ぼちぼちさん
粋な提案さん


 『夜の公園』川上弘美

2007/09/03 [月] 19:23 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
夜の公園
夜の公園川上 弘美

中央公論新社 2006-04-22
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おすすめ平均 star
starそれは公園からはじまる
star他の作品を読んでみたい
star下種の勘繰りと言われてしまうかもしれませんが・・・

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出版社/著者からの内容紹介 わたしいま、しあわせなのかな――寄り添っているのに、届かないのはなぜ。恋愛の現実に深く分け入る、川上弘美の新たなる傑作長篇。
内容(「BOOK」データベースより)寄り添っているのに届かないのはなぜ。恋愛の現実に深く分け入る川上弘美の新たな世界。



久しぶりに川上弘美さんの小説を読む。


新刊が溜まっていたけど、読みそびれていたもの。
短時間で読んだけど川上ワールドを堪能できて満足。

よるべないあの感じ。いろいろな恋愛関係が描かれているが結局は友情の話なんだと思う。ともかく私はそう読んだ。お互い向き合っているんじゃなくて違う道歩いていて、ふと横を見るといる、という関係の女の友情。主人公とその親友がお互いに面と向かって直接口にはしないけれど、それぞれがそれぞれの時間の中で名前を呼ぶ。それがとても切なくてちょっと涙が出た。


きっと自分にも、そういうことが、あった。あった。自己憐憫のような、自分を責めるような、甘い胸の痛み。


なんとなく江國香織の『ホーリー・ガーデン』を思い出した。ちょっと雰囲気似てるかも。
これは斎藤美奈子さんのいうところの、「妊娠小説」、ではないかな。男があわてふためいたりしてないしw
さて次は『真鶴』を読もう。

TB:粋な提案さん



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