かもめ食堂 群ようこ
| かもめ食堂 | |
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映画「めがね」の監督荻上直子さんによって映画化もされた「かもめ食堂」の原作。確か映画化前提で書かれたはず。出てすぐ買って読んだが、映画は見逃してしまった。たいそう評判がいいのでそのうち見てみたい。どちらも小林聡美主演てのがいいな。「めがね」小林聡美さん、市川実日子さん、もたいまさこさん、加瀬亮さん。味のある役者さんが出演されている。加瀬亮さんの出てる作品は質が高いことが多い気がする。
群ようこさんといえば「無印」シリーズで有名な、ちょっと辛口でおかしみのある小説を書かれる方だ。この人の批評眼とユーモアのある文章はとっても面白い。
ひさびさに群さんの新刊を手にとってみたら、なんとなく、今までとちがうと感じた。どこがどうとは具体的には言えないのだけど。。。いつもより、ファンタスティックな感じ、寓話のような話に思えた。それまでは割とリアリスティックな作品が多かったと思う。いつもの毒気を期待していると拍子抜けしたというのもあるのかもしれない。さっぱりと穏やかな物語だ。
多分設定がファンタジーのように思えたのだろう。日本人の女性が突然フィンランドでお店を開くというのが。こういう設定は一見「自分探し」的な行動に見えるが、実はそうじゃない。自分探しなんてたわけた幻想に酔ってはいない。サチエさんはとても用意周到に、着実に目的の為にノルマをこなしていく。きちんと現実を見据えている。
では最初に感じたファンタジーというのは間違いだったのか。いや、それでもやっぱりこの話はファンタジーだと思う。サチエさんはいろんなものを捨ててきた人だ。お父さんを捨ててきたという現実を背負い、そしてそれがどんなに残酷なことであるのかも理解し、受け入れているからこそ、人に対してやさしくなれる。なんだか出家した修行僧のような潔さと懐の大きさを感じる女性だ。読者は主人公のように日本を出てみたいと思っても、実際にはやはり難しい。そこで、小説を読むことでその世界に逃避できる。そして勇気をもらってまた現実に帰って行くのだ。
寓話というのは何も嘘だというわけではない。虚構によって真実を伝えるというあらゆるテキストの原理に則している。食堂に「かもめ」という名前をつけるわけだけど、もしかして「かもめのジョナサン」のイメージなんだろうか。何かを捨てるというサチエさんの潔さに通じるものがあるのかもしれない。かもめのジョナサン程哲学的ではないけれど。
ふらふらと結びついた3人の女性。決して近すぎない距離を保ってはいるけれどいざというときには力な友情だ。かもめ食堂はちゅうぶらりんな居場所だったけど、なんだかんだとそこで生きていく決意をしていく。「自分の居場所は今自分の居る場所なんだ」と優しく教えられたような気がした。
ちなみに、これを読むと、鮭のおにぎりが猛烈に食べたくなるのでご注意を。
TB:本を読む女。改訂版さん
ぱんどらの本箱さん
ひさびさに群さんの新刊を手にとってみたら、なんとなく、今までとちがうと感じた。どこがどうとは具体的には言えないのだけど。。。いつもより、ファンタスティックな感じ、寓話のような話に思えた。それまでは割とリアリスティックな作品が多かったと思う。いつもの毒気を期待していると拍子抜けしたというのもあるのかもしれない。さっぱりと穏やかな物語だ。
多分設定がファンタジーのように思えたのだろう。日本人の女性が突然フィンランドでお店を開くというのが。こういう設定は一見「自分探し」的な行動に見えるが、実はそうじゃない。自分探しなんてたわけた幻想に酔ってはいない。サチエさんはとても用意周到に、着実に目的の為にノルマをこなしていく。きちんと現実を見据えている。
では最初に感じたファンタジーというのは間違いだったのか。いや、それでもやっぱりこの話はファンタジーだと思う。サチエさんはいろんなものを捨ててきた人だ。お父さんを捨ててきたという現実を背負い、そしてそれがどんなに残酷なことであるのかも理解し、受け入れているからこそ、人に対してやさしくなれる。なんだか出家した修行僧のような潔さと懐の大きさを感じる女性だ。読者は主人公のように日本を出てみたいと思っても、実際にはやはり難しい。そこで、小説を読むことでその世界に逃避できる。そして勇気をもらってまた現実に帰って行くのだ。
寓話というのは何も嘘だというわけではない。虚構によって真実を伝えるというあらゆるテキストの原理に則している。食堂に「かもめ」という名前をつけるわけだけど、もしかして「かもめのジョナサン」のイメージなんだろうか。何かを捨てるというサチエさんの潔さに通じるものがあるのかもしれない。かもめのジョナサン程哲学的ではないけれど。
ふらふらと結びついた3人の女性。決して近すぎない距離を保ってはいるけれどいざというときには力な友情だ。かもめ食堂はちゅうぶらりんな居場所だったけど、なんだかんだとそこで生きていく決意をしていく。「自分の居場所は今自分の居る場所なんだ」と優しく教えられたような気がした。
ちなみに、これを読むと、鮭のおにぎりが猛烈に食べたくなるのでご注意を。
TB:本を読む女。改訂版さん
ぱんどらの本箱さん



群ようこの異色作
映画を見た後でも、まだ見る前でも楽しめる本
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