孤独について 生きるのが困難な人々へ 中島義道

2008/01/27 [日] 09:41 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
孤独について―生きるのが困難な人々へ (文春新書)
孤独について―生きるのが困難な人々へ (文春新書) 出版社/著者からの内容紹介 人とは常に距離をおきたい、必要な時だけ愛がほしい…。自由でありたい、孤独に生きたい、そんなあなたへ贈る「孤独」を哲学する本 凄絶な孤独体験をもとに敢えて孤独を選び直し、それを贅沢に活用する人生のヒントを紹介。






「戦う哲学者」として、正真正銘の偏屈者として有名な中島義道さんの著書です。最初に読んだ一冊ですね。高校卒業後初めての一人暮らしの孤独なアパートで読んだことを、よく覚えています。それは、家族の「呪縛」から解放されて得た「孤独」でもあった訳ですが。

中島義道さんの本は、本当に面白い。ひねた人って一杯いるんだな、私だけじゃないんだと読者を安心させてくれます。


この本は、生きづらさを感じている人にとって、そうそう、と笑えるとともに、笑えない痛みを伴う「血の言葉」が詰まっています。 例えば以下の子供の頃の家族についての描写は、何かを思い起こさせ、ぞっとします。

「社交辞令ばかりの晴れやかな挨拶が交わされた後で、茶の間に入ると、母はひとり座り込んでむっつりしている。そして、私に向かって「あんなことを言って。こんなことをして」クドクド怒りをぶつけるのだ。」

その場ではニコニコと世間体を取り繕って、隠れて後でぐちぐちと子供に八つ当たりをする親。お風呂場で「お母さんが恥ずかしい」と子供の体をつねる母親。叱るならその場で叱ればいいものを、たいした理由でもない自分の見栄だけだから、隠れて折檻するのだ。


こういった、「呪い」とでも言いたくなるような、記憶はいつまでも忘れないものだ。



 中島義道さんの村上春樹評

2007/10/11 [木] 23:34 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
英女性作家ドリス・レッシング、ノーベル文学賞受賞/村上春樹さん受賞逃す
村上春樹さんではありませんでした。残念w
私はぶっちゃけ村上春樹嫌いなので別に残念ではないんですがwしかしいちいちマスコミは受賞前に騒ぎすぎでは?馬鹿に見えますよ。
どうせなら春樹よりよしもとばななにあげてほしい。世界で受けてる日本文学つーんなら。


中島義道が『私の嫌いな10の言葉』で書かれている村上春樹批判が最高に痛快で共感できる。以下は『ノルウェイの森』を読んだ中島さんの感想
「あまりにも不快であるために、かえって興味を抱きました。」
「読み進むにつれて、内容のあまりの非現実性にすっかり動転。」
「世間からはじき出されたまともでないはずの人びとが・・・みんな知的にも肉体的にも経済的にも並み以上、いやかなり恵まれた人ばかり。
・・・そんな恵まれた人びとがみんな抽象的に他人を世間を恐れている。
これって相当ひどい話ではないでしょうか。」

とくにこれといった具体的理由ではなく抽象的な理由でどんどん人が死んでいく。理不尽さとか痛みは感じられない。なんていうか馬鹿にしているというか不快になります。それが狙いなのかもしれませんが、私は苦手です。


中島さんはその続きで山田詠美さんの『ひざまずいて足をお舐め』をこう絶賛している。
<「見た通りに書くこと」には大変な才能がいる。それは、それ以前に「見る」才能がいるから。多くの人は見えても書けず、もっと多くの人は見えもせず書けもしない。彼女は書かないときも『自分の目を使って、色々なものを見ること。普通の人の見えないものを見ること。』に勤勉なのです。そうしない作家が多い。書くときだけ勤勉な作家が多い。

哲学的ですらある主人公が最高に痛快。山田詠美さん自身も村上春樹は「もてない男が偶然好きになられるから読まれる」と批判的だ。「私のファンは村上春樹のファンとかぶらない」とも。村上チルドレンと言われる作家には好きな方もいますが。


ニュース記事から脱線しましたが、村上氏自身もマスコミ嫌いだし、いちいち受賞前に騒ぐマスコミは痛いので来年からは控えていただきたいですね。



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