2007/07/21 [ a] 21:58

キャラメルのように風味絶佳な、というより、丁寧に作られた野菜の滋味、人里離れた山の奥にひっそりと流れる名水のような、味わい。吟味して選び抜かれた文章だが、作者の熱意が透けて見えるようなうっとおしい重みはなく、さらりと軽やかだ。
詠美さんの作品の場合、書評は多くても、評論が少ないということが多いそうだが、確かに批評でこの素晴らしさを伝えにくいという面があると思う。確か本の雑誌の年間ベスト1にも選ばれていたが、とにかくすごいという理由だけで、詳しくどこがすごいのかは語られていなかった。傑作なのは明らかだが、どこが傑作なのか説明しづらい。つまりは、本を手に取り、風味絶佳な味わいを堪能してしただくしかないのです。
TB:
実りの秋
◎「風味絶佳」 山田詠美 文藝春秋 1290円 2005/5
「風味絶佳」山田詠美
かみさまの贈りもの〜読書日記〜
モンガの独り言 読書日記通信さん