無銭優雅 山田詠美
| 無銭優雅 | |
![]() | 山田 詠美 幻冬舎 2007-01-31 売り上げランキング : 24605 おすすめ平均 ![]() この一貫性! 共感と反発が綯い交ぜになった複雑な読後感 湘南ダディは読みました。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ミーミーと言って、体を摺り寄せてくるのは猫ではないので
ある。それは霊長類人科のオスで御年45歳。世の中ではおじさんという年ではあるが、私にはそう受け止めることが出来ない。それは私自身も同じ年齢だからであろう。周りの見えていない時の私たちは未だ少年少女。ずうずうしいなんてこれっぽちも思わない。
相変わらず、素晴らしい書き出し。もうここだけでご飯何杯もいけます。
「大人になったら何になろう」なんて大人なのについつい思ってしまう人種のための 物語。山田詠美さんの最近の作品では「大人になりきれない、やんちゃな大人」が よく出てくる。そして「死」という陰がちらつく。この人は本当の死の恐怖を知ってい るのだろう。
臆面もない二人の恋愛小説。二人は仲良しで、お互いの長所を褒め合い、甘や
かし合う。欠点を長所になるまでお互いを愛でる。栄は極度の乗り物酔いで3駅も
たない。自転車でしか移動できない。中央線を出れない。行きつけのバーは西荻
窪、慈雨の花屋も吉祥寺、三鷹で進行していく。コピーの通り「恋は中央線でし
ろ!!」決してお洒落ではない、子供帰りのようなキュートな恋。なんていうかVIVA!40代!と言う言葉がぴったり来る。ベッドタイムアイズのような緊迫した
密度の濃い世界ではなく、ちょっと肩の力を抜いた柔らかな感じがする。いつから
か、多分『A2Z』の頃からだと思うけど、詠美さんの作品は丸みを帯びてきたよう
な気がする。
ところどころ古今東西の恋愛小説から山田詠美選の名文が引用されている。そ の引用が芸が利いてて慈雨と栄の物語と韻を踏んでいるのだ。
栄は犬、猫にもなめられてしまうタイプの天然記念物級の穏やかで優しい人が最 後はクライマックスで大爆発する。ぐっと来ます。
しょんぼりしがちな大人に「私はあなた達をしょんぼりさせませんよ」と言い放ってく れる山田詠美節の利いた作品です。 TB:とんとん・にっきさん 2007年新刊本ベスト、エントリよろしくお願いします。(読者大賞blog) Slow Lifeさん
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共感と反発が綯い交ぜになった複雑な読後感











