秋の詩を引用してみる。
秋の日の ヴィオロンの ためいきの
身にしみて ひたぶるに うら悲し。
鐘のおとに 胸ふたぎ 色かへて
涙ぐむ 過ぎし日の おもひでや。
げにわれは うらぶれて こゝかしこ
さだめなく とび散らふ 落葉かな。(「落葉」ヴェルレーヌ 上田敏訳)
なぜか栗と柿。
秋花、秋、読書の秋、ということで、花にまつわる小説をいくつか紹介。
長野まゆみ 『白昼堂々』 主人公の原岡凛一は由緒ある華道家元の跡継ぎ。普通の文芸書のように見えて、実はBL本としても読まれている。長野さんならではの少年観、独特の旧字体を遣った硬質で静謐な文体が楽しめる。シリーズにもなっていて『碧空』『彼等』『若葉のころ』と続く。
山田詠美 『無銭優雅』 主人公の慈雨は花屋。詠美さんによって選び抜かれた名作小説からの引用も素晴らしい。
森瑤子 『秋の日のヴィオロンのため息の』 花屋の青年と主人公のやりとりが印象的。
筒井康隆 『時をかける少女』 時かけ。ラベンダーが重要なアイテムなのは言わずもがな。
江國香織 『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』
9人の女性たちがそれぞれ主人公で入れ替わり立ち替わり物語を紡いでいく。一人は花屋さん。世界と夫に対する乾いた視線、でもきちんと花を愛でたり、生活を愉しむことも忘れないディテールの豊かな小説。ビターな大人の恋愛小説。
あんまり花に関するお話しじゃないかも。。。でも花がメインの小説は思い浮かばなかった
