キルドレの決定因子?/フラッタ・リンツ・ライフ 森博嗣
『フラッタ・リンツ・ライフ』 森博嗣
今回はネタバレ&私の勝手な推測が含まれます。未読でネタバレ見たくないという方はcontinueを押さない方がいいです。
スカイクロラシリーズ第4段。時系列的には3作目。
草薙水素の部下栗田仁朗(クリタジンロウ)の視点で語られる。戦闘機に乗って戦うパイロットの子供達の物語。クリタは基地の近くに住むある女を時々尋ねるようになっていた。なぜそこに足を運ぶのか。彼女相良亜緒衣(サガラアオイ)は草薙の過去を知っているらしい。やがてサガラはキルドレに関するある重要な情報を持っているため組織に追われ、クリタに逃亡の手助けを求める。クリタは草薙の存在を気にかけながらもサガラを逃がすが。。。子供ではなくなるということ、変化することの哀しみを描いた物語。
今回はネタバレ&私の勝手な推測が含まれます。未読でネタバレ見たくないという方はcontinueを押さない方がいいです。
スカイクロラシリーズ第4段。時系列的には3作目。
草薙水素の部下栗田仁朗(クリタジンロウ)の視点で語られる。戦闘機に乗って戦うパイロットの子供達の物語。クリタは基地の近くに住むある女を時々尋ねるようになっていた。なぜそこに足を運ぶのか。彼女相良亜緒衣(サガラアオイ)は草薙の過去を知っているらしい。やがてサガラはキルドレに関するある重要な情報を持っているため組織に追われ、クリタに逃亡の手助けを求める。クリタは草薙の存在を気にかけながらもサガラを逃がすが。。。子供ではなくなるということ、変化することの哀しみを描いた物語。
スカイ・クロラシリーズとは森博嗣さんにとっての「かもめのジョナサン」なのかも知れない。本当に綺麗なものを追求した小説。
このフラッタ・リンツ・ライフでは草薙は大尉となりめったに飛ぶことがなくなっている。
とても象徴的なシーンがある。
「私はなんとも思ってないよ。ただ、そうね、もう飛行機には乗れないかもしれない。それだけ」
彼女は、こちらへ壊れそうな微笑を向けた。「もう一度キルドレに戻ることは出来ないのだから・・・・・。
(略)誰でも歳をとる。誰でも過去の自分には戻れない。普通のことなんだよね」
「ええ」僕は頷いた。
「それは全然・・・・・、どうでも良い。ただ、でも・・・・、飛行機に乗れない。もう戦えない」前を
向いている草薙はまだ笑っていた。でも、その目から涙がこぼれる。「飛べない。もう飛べない。ああ・・・・・」
草薙はキルドレでなくなってしまった。だからこそ涙を流すことができたのだろう。子供は泣けない。大人だから、泣けるのだ。
今回の作品ではシリーズの根幹に関わるキルドレについて重要な情報がもたらされる。なぜ草薙はキルドレでなくなったのか。提示された境界条件は
・ 草薙が過去に妊娠したから(キルドレでなくなった)
・ 男性の場合には滅多にない。
・ 違う型の血液を入ればありうるかもしれない(男性でも起こりうるかもしれない)
・ 草薙はキルドレではない男性の子供を産んだ
ここから私が連想して思い出すのが血液型不適合妊娠だ。条件が似ている。
よってキルドレである要因は血液中のなんらかのある抗原を持っているか否かで決定されると思われる。その抗原(タンパク質)を仮にKR+とする。KR+を持たないのがキルドレで普通の人間がKR+を持つとする。そして[KR-]の女性(キルドレ)と[KR+]の男性(普通の人間)の間に子供が出来、その子供が[KR+]だった場合、妊娠中胎盤を通じて子供の抗原KR+が母親の体液に移行する。すると母親はそれを異物と認識し抗原KR+に対する抗体を産生する。その抗体(タンパク質)が老化のプログラムに関係するのだとしたら。。。
というのは私の妄想です。最後の一行はとくにあやしい。ですが、血液中の何らかのタンパク質が関係するのだと思う。免疫の多様性か何かの遺伝子が指定するタンパク合成のレセプターなのかもしれない。あるいは単純にAIDSのように粘膜接触で何らかのウィルスか抗原が性行為を通じて入ったのが原因かも知れない。これについてはまた今度もうちょっと生物学的に考察したい。
帯の「僕が僕であり続けたい」。この意味を考えると、切ないね。
引用作品は『海からの贈りもの』アン・モロウ・リンドバーグ 吉田健一訳
この本は大好きなので引用されてて、どきっとした。ここでも自由と生活というテーマと共鳴する。
TB:世界はゴミ箱の中にさん
ミステリ不全症群。さん
関連記事:ナ・バ・テアの感想
スカイ・クロラの感想
ダウン・ツ・ヘヴンの感想
なにも欲しくない。
誰のためでもない。
誰も褒めてはくれない。
ただ、飛び続けたい。
僕が僕であり続けたい。
生きているかぎり。
このフラッタ・リンツ・ライフでは草薙は大尉となりめったに飛ぶことがなくなっている。
とても象徴的なシーンがある。
「私はなんとも思ってないよ。ただ、そうね、もう飛行機には乗れないかもしれない。それだけ」
彼女は、こちらへ壊れそうな微笑を向けた。「もう一度キルドレに戻ることは出来ないのだから・・・・・。
(略)誰でも歳をとる。誰でも過去の自分には戻れない。普通のことなんだよね」
「ええ」僕は頷いた。
「それは全然・・・・・、どうでも良い。ただ、でも・・・・、飛行機に乗れない。もう戦えない」前を
向いている草薙はまだ笑っていた。でも、その目から涙がこぼれる。「飛べない。もう飛べない。ああ・・・・・」
草薙はキルドレでなくなってしまった。だからこそ涙を流すことができたのだろう。子供は泣けない。大人だから、泣けるのだ。
今回の作品ではシリーズの根幹に関わるキルドレについて重要な情報がもたらされる。なぜ草薙はキルドレでなくなったのか。提示された境界条件は
・ 草薙が過去に妊娠したから(キルドレでなくなった)
・ 男性の場合には滅多にない。
・ 違う型の血液を入ればありうるかもしれない(男性でも起こりうるかもしれない)
・ 草薙はキルドレではない男性の子供を産んだ
ここから私が連想して思い出すのが血液型不適合妊娠だ。条件が似ている。
よってキルドレである要因は血液中のなんらかのある抗原を持っているか否かで決定されると思われる。その抗原(タンパク質)を仮にKR+とする。KR+を持たないのがキルドレで普通の人間がKR+を持つとする。そして[KR-]の女性(キルドレ)と[KR+]の男性(普通の人間)の間に子供が出来、その子供が[KR+]だった場合、妊娠中胎盤を通じて子供の抗原KR+が母親の体液に移行する。すると母親はそれを異物と認識し抗原KR+に対する抗体を産生する。その抗体(タンパク質)が老化のプログラムに関係するのだとしたら。。。
というのは私の妄想です。最後の一行はとくにあやしい。ですが、血液中の何らかのタンパク質が関係するのだと思う。免疫の多様性か何かの遺伝子が指定するタンパク合成のレセプターなのかもしれない。あるいは単純にAIDSのように粘膜接触で何らかのウィルスか抗原が性行為を通じて入ったのが原因かも知れない。これについてはまた今度もうちょっと生物学的に考察したい。
帯の「僕が僕であり続けたい」。この意味を考えると、切ないね。
引用作品は『海からの贈りもの』アン・モロウ・リンドバーグ 吉田健一訳
この本は大好きなので引用されてて、どきっとした。ここでも自由と生活というテーマと共鳴する。
TB:世界はゴミ箱の中にさん
ミステリ不全症群。さん
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ダウン・ツ・ヘヴンの感想
なにも欲しくない。誰のためでもない。
誰も褒めてはくれない。
ただ、飛び続けたい。
僕が僕であり続けたい。
生きているかぎり。













